2012年10月24日水曜日

写真小話 No.173


「僕達から見れば、この空は綺麗だけど、そうじゃない人も居るんだろうな」
「ま、美的感覚は人それぞれよ」
「まるで雲のない空が好きな人も居るかも知れない」
「逆に、青い空が嫌いな人も居るかも知れないわ」
「人の世界も、なかなかに純である事は難しい」
「だからそうそう簡単に平和は訪れないのかも」
「でも、大丈夫だろ」
「どうして?」
「……どちらにしたって、人の上には青い空だ」

2012年10月17日水曜日

写真小話 No.172


「それは、二人でって事?」
「もちろんだ」
「……今だけ別れましょっか」
「そんなにか!」

2012年10月15日月曜日

写真小話 No.171


「ところで」
「うん?」
「あなたの考えと私の考えが交差して乱れたら、あなたはイヤ?」
「イヤじゃないよ」
「そう。良かったわ」
「時には自分の流れを乱す存在が居なければ、かえって流れは淀むものさ」

2012年10月14日日曜日

写真小話 No.170


「どこまで行けるの?」
「それは君次第だ」
「そうね……。なら、行ってみたい所があるわ」
「どこ?」
「どこまでも」

2012年10月8日月曜日

写真小話 No.169


「家内、ねぇ……」
「なんだよ」
「あなたってそんなに家族を大事にしてたかしら」
「そうは見えないだけだ。僕は家庭を大事にする男だぞ」
「家族の話でしょ?」
「……同じじゃないか?」
「……ま、いっか」

「どちらにせよ、悪くないわ」

2012年10月4日木曜日

写真小話 No.168


「で、もしターザン的なヒモがあったら、お前はどうするんだ?」
「待ってるわ」
「なんだよ。一緒に行こう」
「イヤよ」
「ツレないなぁ……」
「私は行くべきじゃないのよ」

「待ってるから、きっちり獲物を仕留めてきてね」

2012年10月2日火曜日

写真小話 No.167


「ところでさ」
「何よ」
「この手が安全だと、本当に思ってる?」
「思ってないわ」
「思ってないのかよ……」
「危険かも知れないけれど、それでもいいのよ」
「なんで?」
「二人なら危険も大丈夫だから」